唐突に訪れる「インクカードリッジを確認してください」のプリンターからのメッセージ。
久しぶりに印刷しようと思ったのにインクが切れている・・・!?。
早急にインクを購入しなければ・・・。でも、プリンターのインクを買うのはいいけど、種類が多すぎてどれを買えばいいか分からない!
たった今そう思っている方、安心してください。
ここにたどり着いたということは
プリンターのインクを買う際に注意すべき点は?
少しでもお得にインクを購入する方法は?
といった悩みを解決することができます。
結論から言うと
プリンターを購入して1年以上経過・・・国産かつ認定工場で作られている互換インクを選ぶ
また、少しでもお得にプリンターのインクを購入する方法を家電量販店勤務歴14年の家電総合アドバイザーである筆者がお教えしますのでぜひ参考にしてください。
インクの種類について
まず初めに、販売されているプリンターのインクは大きく分けて
メーカーが直接販売している「純正インク」と
プリンターのメーカーとは別の会社がインクのみを製造・販売している「互換インク」
の2種類が存在します。
例えば、あなたがキャノンのプリンターを使っていて「BCI-381+380」というインクを購入しようとすると・・・
↓こちらが「純正インク」
↓こちらが「互換インク」
このように、同じ種類のインクでも純正インク・互換インクと様々な製品が売られています。
そして、その価格を見てもらうとお分かりのように、互換インクが驚くほど安く販売されています。
一見「それならば互換インクでいいのでは?」と思ってしまいますが、それぞれメリット・デメリットがあるので、きちんとその違いを理解したうえでどちらを購入するか選ぶ事をおすすめします。
純正インクと互換インクのメリット・デメリット
メーカー純正インク、価格の安い互換インク、それぞれのメリット・デメリットを比較していきましょう。
まずは純正インクを使う場合のメリット・デメリットを解説します。
◎純正インクのメリット
◎メーカー保証で安心して使用できる
メーカー自身がそのプリンター専用に製造しているインクなので、安心して使うことができ、万が一インクが原因でプリンターが故障してしまった場合保証期間であれば無償修理が可能。また、インクカードリッジ自体を新品に交換してもらえる場合もあります。
◎印刷が綺麗・経年劣化が最小限
メーカーがプリンターを製造・開発する際ももちろん純正インクを使用する前提で行われます。大きな違いではないものの、互換インクでは表現できない美しい発色や、印刷後の耐水・耐光性などの経年劣化も最小限に保つことができます。
◎プリンターに負荷がかかりにくい
純正インクはプリンターの開発段階から使用テストが何度も行われており、インク漏れなどによるプリンター本体への悪影響が最小限になるように製造されています。間違いなく互換インクに比べプリンター本体の故障発生率は低減されます。とはいえ、互換インク自体も長い歴史を培っており、ごく一部の低品質な互換インクを除くと品質はとても向上していると言えるでしょう。
×純正インクのデメリット
×純正インクは価格が高い
純正インクのデメリットといえば、ただただ価格が高い!それだけです。プリンターメーカーの収益源はほぼ消費者のインク購入による収益であると言っても過言ではなく、プリンター本体を安く購入できたとしても、数年後にはインクにかかるコストで本体代を超えてしまいます。
純正インクの場合、互換インクの価格の2倍~3倍するといったケースも少なくありません。
◎互換インクのメリット
◎純正インクよりはるかに低価格
上記の説明と重複しますが、互換インクの場合純正インクに比べ圧倒的に安く販売されています。
◎大容量で長持ち
互換インクの種類によっても異なりますが、多くの互換インクはオリジナルのカードリッジを使用しており、純正インクより長持ちしてお得に使用できます。
◎純正インクが製造されなくなっても入手可能な場合も
メーカーでは次々に新しいプリンターが発売されており、それに伴ってプリンターに使うインクの種類も変わっていきます。古くなった機種は販売されなくなり、一定期間を過ぎるとその機種に使う純正インクも製造されなくなってしまいます。ただし、純正インクがなくなった場合でも互換インクであれば購入可能な場合もあります。
×互換インクのデメリット
×純正インクに比べると品質が低い場合も
互換インクの種類により異なりますが、低品質の互換インクの場合純正インクに比べ印刷時の発色が悪かったり、色がにじんだりと品質が劣る場合があります。また、耐水性や耐光性も同じく劣る可能性があるので、互換インクを選ぶ場合は慎重に選びましょう。
×本体故障の際メーカー保証外になる
ここが最も重要なポイントで、プリンターには基本的に購入から1年間はメーカー保証がついていますが、その期間中に互換インクを使用してしまうとメーカー保証対象外になってしまいます。万が一プリンターが故障した場合、有償での修理となり思わぬ出費が発生してしまう事になりかねません。
買って間もないプリンターの場合(最低でも1年以内)は純正インクの利用をおすすめします。
互換インクの中でもおすすめできる製品は?
ここまでの説明だけでは互換インク=安いけどリスクが多い
という事になってしまいそうですが実は、
互換インクでも信頼でき、なおかつ万が一故障した際も保証がついているといった製品もあります。
安くて保証付きで信頼のある互換インクのメーカーをいくつかご紹介します。
インク革命
インク革命の互換インクは、これまで多くの販売実績があり、その最大の特徴は充実した保証内容。もしインク革命のインクを使ってプリンター本体が故障した場合、購入から1年以内のプリンターであれば保証対象となります。
インクナビ
インクナビの互換インクも、プリンター本体の保証がついているため安心して使用できます。また、場合によってはプリンター自体を新品交換してくれるといった点も魅力です。
ベルカラー
ベルカラーの互換インクは写真からもわかるように、詰め替え用のカードリッジと詰め替えインクがセットになっているものも販売しており、よりお得で効率的に使用できます。さらにトリプル保証という、インク自体の3年間の保証・プリンター本体購入から1年間の保証・印刷の品質が満足いかなかった場合の1年間保証といった充実したアフターが魅力です。
純正インクと互換インクを最も効率よく使い分けるコツ
少しでも安くプリンターのインクを購入しつつ、できるだけ安心して使いたい!といった方のために、最も効率的なインクの選び方のコツをお教えします。
プリンターを購入して1年以内
純正インクまたはプリンター本体保証付きの互換インクを選ぶ
プリンターを購入して1年間は本体に保証がついていますが、その期間に保証なしの互換インクの使用でプリンターの故障が起きてしまった場合、メーカー保証対象外となってしまい、全額修理代金を負担しなければなりません。
購入後1年以内は必ず純正インクまたはインク革命・ベルカラーなどのプリンター本体保証付きの互換インクを利用しましょう。
プリンターを購入して1年経過後
国産かつ認定工場で作られている互換インクを選ぶ
プリンターを購入して1年が経過すると本体の保証がきれてしまいます。この場合、たとえ純正インクでも互換インクでも故障した場合有償での修理となるため、インクは互換インクでOKです。しかし、安心して使用できる互換インクを選ぶ際の最低条件として、
・国産の互換インク
・ISO14001またはISO9001の認定工場で作られているか
の2点をクリアしているものをおすすめします。
海外製のインクは少なからず故障のリスクを伴う可能性があるため国産の互換インクを推奨します。また、ISO14001(環境マネジメントシステムの国際規格)ISO9001(品質マネジメントシステムの国際規格)の認定工場で製造されているものであればさらに安心して使用できます。
国産・認定工場で作られているおすすめ互換インク
JIT(ジット)
エコリカ
Color Creation(カラークリエーション)
標準タイプと増量タイプの違い
すでに気になっていた方もいるかもしれませんが、プリンターのインクには「標準タイプ」と「増量タイプ」があります。増量タイプというだけあって、入っているインクの容量が標準タイプより多いという事はなんとなく分かりますが、どのくらいインクが多く入っていて、どのくらいお得に買えるのでしょう?
例をあげて見ていきましょう。
まずはキャノンのプリンター(4色インク)を使用した場合の例。下記の表はキャノンホームページから引用した、標準容量と大容量のインクの使用による印刷可能枚数の比較表です。
引用元:canon.jp
L判写真印刷の場合、ブラックの大容量タイプが標準タイプの約2.4倍、カラーの大容量タイプが標準タイプの約1.6倍印刷枚数が多くなります。
A4カラー文書印刷の場合、ブラックの大容量タイプが標準タイプの約2.2倍、カラーの大容量タイプが標準タイプの約1.6倍印刷枚数が多くなります。
平均すると大容量タイプは標準タイプの約2倍印刷が可能ということが分かります。
この場合、大容量と標準タイプのインク価格の差が2倍以上なく、圧倒的に大容量タイプのほうがお得という事が分かります。
プリンターやインクの種類により印刷できる枚数や大容量タイプのインクを使った場合のお得になる割合は異なりますが、総合的にみても大容量タイプを選んで損することはありません。
ただし注意点として、印刷を終えて約半年以上プリンターで印刷をしなくなる可能性がある方は目詰まりを起こしてしまう可能性があるので、印刷したい枚数が多くなければ通常タイプのインクをおすすめします。
印刷可能枚数については下記のメーカーホームページが参考になります。
→canon【インクジェットプリンター】インクカートリッジ1本で印刷可能な枚数について
→EPSON 各プリンターにおけるイールド枚数(各色での印刷可能枚数)情報
お得にインクを購入する方法
最後に、家電量販店勤務の私からプリンターのインクを最もお得に購入する方法をアドバイスします。あなたの状況に合った方法でプリンターの保証も考慮しながら最安で購入できる方法なのでぜひ参考にしてみてください。
とにかく急ぎでインクが必要な場合
とにかく緊急でインクを入手しなければならない場合、近くの家電量販店に行きましょう。その際「使っているプリンターはメーカー保証期間内(購入して1年以内)か?」という点をまず確認しましょう。
メーカー保証期間内(購入して1年以内)
メーカー保証期間内は、互換インクの使用で故障した場合保証が聞かなくなってしまうため、メーカー純正インクを購入します。店頭でインクの価格を確認し、そこに書いてあるインクの品番を価格.comで検索。家電量販店のweb(ノジマオンライン・eBEST・Joshin・コジマネット・EDIONネットショップ・ヤマダウェブコム・ヨドバシ.com・ビックカメラ.com・ケーズデンキweb)の最安値と比較してみましょう。
もしwebの方が安かった場合、その画面を店員に見せて「この価格対応できますか?」と聞いてみてください。
え?そんな勇気ない!嫌な客と思われたくないし・・・。
そう思った方、安心してください。
そんな事、店員側からすると一日何度も聞かれる日常茶飯事の出来事なのです!
現状対応してくれる可能性が高いと思われますが、もしダメな場合別のお店で聞くか、今回のケースでは急いでいるのでそのまま購入しましょう。
メーカー保証外(購入から1年以上経過)
とっくにメーカー保証が切れているといった方は、家電量販店で販売されている互換インクでOK。ですが、互換インクにも種類があります。できるだけ「国産の互換インク」「ISO14001またはISO9001の認定工場で作られているか」の2点は確認しましょう。
互換インクの購入の際も上記の流れでweb価格を調べて安かったら交渉するのもありなのですが、あまり価格差がない、というかむしろ互換インクなのでweb上に存在しないケースが多く、互換インクで価格交渉されるケースはあまりありません。
インクを購入する時間に余裕がある場合
緊急ではないけど、そろそろプリンターのインクを購入しようかなという方はインターネットでの購入が割安となる場合が多いです。インクは家電製品の中でもインターネットで購入するデメリットは少ないので、一番安いインターネット価格を調べて購入する方法がベスト。
具体的には
この流れでOKです。
メーカー保証期間内(購入して1年以内)
メーカー保証期間内の場合、純正インクまたはプリンター本体保証付きの互換インクを使用します。品質を重視したい方は純正インク、少しでも安くインクを購入したい方はプリンター本体保証付きの互換インクをおすすめします。互換インクを選ぶ際は、インク革命・インクナビ・ベルカラーなどであれば万が一プリンターの故障が発生した際も修理代の保証が付いているので安心です。
メーカー保証外(購入から1年以上経過)
インターネット上で販売されている国産・認定工場で作られている互換インクが最もお得に購入できます。上記の方法でインターネットで調べつつ最安で入手してください。国産・認定工場で作られている互換インクの中でもおすすめはJIT(ジット)・エコリカ・Color Creation(カラークリエーション)などのメーカーがあります。
最後に
プリンターを購入するとなると、みなさんプリンターの本体の価格に意識が向いてしまいますが、実はプリンター選びの重要なポイントはインクなどのランニングコストなんです。今回少しでもお得にインク代を節約する術をご紹介しましたが、プリンター本体を購入する際は是非プリンターの本体価格よりインク代に目線を置いて選ぶ事をおすすめします。よくわからない方は家電量販店で、「コスパのいいプリンターどれですか?」と尋ねてみましょう。その時あなたがプリンターを使う頻度など詳しく聞き出して説明してくれた店員は信用して大丈夫です。
最後まで御覧いただきありがとうございます。快適なインターネットライフを!